ラニヤード必要強度理論式の検証 
柴田 (30〜39才) @愛知県 7/8(金) 02:33:00 No.20160708023300
2016,07,03(日)10:00〜13:30
青山さん(リーダー),林さん,なかいさん,宮原さん,菊本さん,村崎さん,河野さん,柴田
曇り,水温24℃,透明度8m,風わずか,波50p以下,大潮(12:15満潮)
上げ潮による流れ込みあり,ホンダワラとアカクラゲ多数

ブリーフィングで気象情報確認を抜かしてしまったが、雷注意報が出ていたため、雷鳴に注意しながらの練習となった。

<ターゲット>
菊本さん FIM44m ホワイト
柴田 CWT40m ホワイト
青山さん CNF30m ホワイト
林さん FIM10m ホワイト
なかいさん ターゲットキャンセル

菊本さんは44mでそろそろ胸郭柔軟性の限界を感じたとのこと。
限界モードを感じられる事で、次のステップに着実に進むことができる。

<個別練習>
CBSメイン,CBSカウンター,フロートロープの3本に分かれて練習。

経験浅い人の典型的モードは、耳抜き速度が競技的な垂直潜行速度に間に合っていないこと。
耳抜きが間に合わないので、ジャックナイフのフォーム練習等の潜行速度を上げる練習も無意味。
耳抜き速度を上げる理想的な練習は、浅い海へ遊びに行き、回数多く潜ること。
フリーダイビングの海洋練習では一日に潜る回数が少ない上に、体積変化率の少ない大深度になりがちなので、
スパッと潜れるようになりたい人にとって、全く理想的でない練習環境と言える。

<レスキュー練習>
-35mボトム設定でCBS引き揚げを模擬練習した。
ダイブタイムを軸にCBS作動号令をかけ、
船上の二人が「イチニッサン、イチニッサン、」と声をかけてタイミング合わせて引く。
カウンター側の引っ張り役は猛烈な体力勝負を強いられること等、良いデモンストレーションになったと思う。
また、-30mで待機して引き揚げられる選手役は、引っ張り荷重を測定できる特殊ラニヤードを用い、
ラニヤード必要強度を議論するための基礎データを測定した。

ラニヤード引張荷重理論式は下記。
引っ張り荷重[N]=選手慣性質量[kg]/{2*変形ストローク[m]}*CBS引き揚げ速度[m/s]^2+選手フリーフォール速度[m/s]^2+水の抵抗[N]

下記今回の条件を当てはめて理論値計算する。
・選手慣性質量:選手体重+ウェイト=68kg
・CBS引き上げ速度:0.9m/s at 変形中
・引き揚げ中の選手の水の抵抗:117.6N at 0.9m/s
・変形ストローク:ロープの伸び率0.7%×30m+ラニヤード伸び量(バネばかりストローク)0.13m=0.34m
計算値:198.6N

実測結果は下記。
実測値:196N

実験結果から計算値をおよそ信用した上で、
例えばラニヤードとして保証したい状況を下記の様に当てはめる。

・選手慣性質量:80kg
・CBS引き上げ速度:1.5m/s
・引上げ中の選手の水の抵抗:373N
・選手フリーフォール速度:1.0m/s
・変形ストローク:0.9%×30m=0.18m
・安全率:1.5倍
目標値:1282N

必要な耐荷重は、選手が使用する環境によって異なる。
例えば上記条件の体重を100kgまでカバーするためには、
目標値:1463N

さらにサポートが10mまでしかお迎えに行かず、
最悪選手が-10〜20mの間でフリーフォール1m/sに加速し、
-20mでラニヤードストッパーに衝突した場合、
目標値:1643N


ラニヤードを自作する場合、必ずしも万人向けの頑丈な物を作らなくても良いと思う。
各自の慣性質量やサポート深度,ロープの硬さ等を考慮し、十分な強度とはいくつか、
数字で語れるようになること。
その範囲を超えるスキルが身についてきたら、ラニヤードを造り替えていくこと等が大切。

1.  柴田     7/8(金) 02:39:11 No.20160708023300-1
今回の検証に御協力下さった参加者の方の中で、
希望される方にはエクセルでの上記計算シートを送ります。
御協力ありがとうございました。


2.  柴田     7/8(金) 02:52:31 No.20160708023300-2

この日、デブリーフィング解散後、希望者のみラニヤード強度試験とネックウェイト作成勉強会を行った。

<ラニヤード強度勉強会>
なかいさんのラニヤードをいけにえに、引っ張り試験実施。
結果、1500Nまで荷重を加え、破損無し。
ただし、ワイヤー両端のアイ加工部のカシメがナイロンコートの上からカシメてあるため、、
ナイロンがワイヤーに対し滑ってアイが解ける可能性がある弱点が見られた。
(ナイロンの変形は時間がかかるので、使用前にチェックしていれば、致命的なレベルの弱点では無い。
 ただし、類似製品の中には200〜300Nで抜けるものもあるので要注意)
今回はアルミを直接ステンレスワイヤにカシメたワイヤーをその場で作成し、対策とした。

<ネックウェイト作成勉強会>
林先生の指導の下、
・最適な長さ,重さにチューニングした「自分専用」
・鉛を完全密閉し、周囲に有毒な鉛化合物を垂れ流さないこだわりの接着技法
・粒径の異なる鉛玉を理論的な混合比で混ぜ、単一径のネックウェイトより充填率5%UP
等のコンセプトのネックウェイトを制作した。

勉強会は、なかいさんがレンタカー返却時間に「間に合わない」ギリギリまで粘って、お開きとした。


3.  柴田     7/8(金) 22:49:56 No.20160708023300-3
連投ですが、、、
引っ張り荷重理論式にちょっと誤りがありました。
正しくは、

引っ張り荷重[N]=選手慣性質量[kg]/{2*変形ストローク[m]}*{CBS引き揚げ速度[m/s]+選手フリーフォール速度[m/s]}^2+水の抵抗[N]

です。
検証の数値までは変化ありませんが、目標値は少し大きくなりますね。
初歩的間違いで失礼しました。


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