LMC・BO体験レポート

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レポート

種別BO or LMCBO
環境日時2007年12月9日 14時ごろ
場所プール(25m×7コース×1.3m)
水温30℃
気温、室温室温 30℃
水質透明度25m程度
状況練習内容(種目等)ダイナミック
事故発生タイミング練習中盤
前日の睡眠時間4時間
普段の平均睡眠時間7時間
事故前の心境16日のインドアカップに選手として出場するので、どこまで記録を伸ばす事ができるのかで頭がいっぱいだったと思います。
事故前の体調前日のプールでの練習の疲れが少しありました。
個人普段の食生活健康には注意していますので、かなり気をつかっています。
定期トレーニングスポーツクラブでのジョギング、水泳(潜水も)、ウエイトトレーニング 、ヨガ 大会前は週5日程度 練習時間は1日3時間程度
酒・たばこタバコはすわない 酒はほぼ毎日飲みます。 量は少ないです。
体格・性格等身長173cm 体重 60キロ 標準体重で言うとやせ気味になるようですが、水泳(競泳)10年以上やっています。
慎重 (臆病) 精神的(プレッシャー)に弱いように思います。 周りに非常に気を使う性格です。
本人見解

事故までの経緯、練習内容の詳細、自分なりに考えた原因と反省点および今後の課題等

大会に向けたリハーサル(レスキューの)練習会にダイナミックウイズフィンの選手(役)と して参加。 145mぐらいを目標として潜水。 浮上とほぼ同時にブラックアウトしたようです。 前の練習会では137mを成功させていました。 大会にむけてどこまで記録を伸ばせるかで 頭がいっぱいだったとようなきがします。 潜水中、137m付近で浮上しようかと考えましたが もう少し記録を伸ばしたいと思い潜水を続けてしまいました。いくつかの要因が重なった為 に無理をした結果のBOだと思います。(特に、精神的な要因)

精神面
大会に選手として出場するのば初めてでしたが、大会主催のチーム員として絶対に良い 成績を残したい(残さないといけない)という気持ちでした。 トレーニングはかなりやっていた 事もあって、まだまだ記録は伸ばせると思い込んでいた事もBOしてしまった原因のように思 います。 前の練習会では137mを成功させていましたが、競技終了後に少し足にきていま した。(歩けない、立てないというレベルではなく、少し足が重たい感じがする程度でしたが) 今までフリーダイビングをやっていて、海ではコンスタント形式で-50mまで潜っていますが、 BO、サンバ、意識が朦朧とするような経験が全くなかったので自分の限界(どこまでなら 大丈夫なのか?)を全く把握できていなかった事も原因だと思います。

体調面
前日のプールでスタティックの練習を行ないました。 夕方の4時〜6時まで。 当日のプール 練習会は朝の9時からでした。  少し疲労は感じましたがウォーミングアップで軽く泳ぐと、特 に普段とはかわらないような気がした事で、ターゲットの距離(144mぐらい)に挑戦しようと思 いました。

今後の課題
ターゲットの設定距離に関しては、結果としてBOしてしまいましたが全くの無謀(なんの考え もない)なトライアルではなかったと思っています。 137m→144ぐらい。 ただ、もう少し距離 を短めに設定して記録更新に挑戦していくようにすべきだったと反省しています。

サポート見解

事故までの経緯、徴候、事故後の対処、そのた他気づいた点等

他のサポートが対処するのを少し遠目から見た見解です。
いつもより長い距離のダイナミック後、浮上して呼吸を整えていたようですが、浮上後にしては 呼吸が弱かったと思います。壁によりかかって呼吸をととのえる体制でしたが、頭が 「カクッ カクッ」と2回〜3回落ちていました。 (ポストブラックアウト; Post-Blackout Mechanical Movements)
その後、頭が完全に落ちてしまい、顔がプールサイドに密着して呼吸が出来ないようになり ました。サポートが救助に入ったのはその直後で、すぐに気道を確保しましたが回復には 少し時間がかかっていました。
もし、ポストブラックアウトの時点ですぐに気道の確保をしていれば、もっと軽症ですんだと 思います。
今回は、AIDA公認大会に向けた、本番形式でのサポートの練習でした。大会においては、 明らかに失格と分かるまでサポートは手を出せませんので、今回このようなタイミングで救助 に入っていました。(実際に救助にあたった人にとっては、いい実戦経験にはなったとは思いますが) 今後の普段の練習においては、早め早めのサポート(今回でいうと、ポストブラックアウトと判断 した時点での気道確保)をしていき、悪化防止とBOからの早期回復をはかることが大切だと あらためて感じました。