LMC・BO体験レポート

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レポート

種別BO or LMCBO
環境日時2009年5月23日 14時ごろ
場所プール(25m×15m×1.3m)
水温25℃
気温、室温室温 28℃
水質
状況練習内容(種目等)スタティック
事故発生タイミング公式大会
前日の睡眠時間0時間
普段の平均睡眠時間6時間
事故前の心境緊張していた
事故前の体調好ましくない、喉が異常にかれていた
個人普段の食生活
定期トレーニングジムで泳ぐ
酒・たばこ普段お酒は飲む、大会前は1週間禁酒 タバコは吸わない
体格・性格等体格・標準よりガッチリ 性格・温厚
本人見解

事故までの経緯、練習内容の詳細、自分なりに考えた原因と反省点および今後の課題等

インドアカップ大会のスタティック競技において、LMCによりSPが15秒以内に出来ず失格に なりました。公式記録ではそうですが、私自身としては5分15秒の合図まで記憶はあるのですが、 その後に立ち上がって、マスクを取った記憶がありません。OKサイン 「I,m OK」を言った時は意識 が戻ってましたが、意識喪失と言う点ではBOでした。

*スタティックについて
前年12月のバラクーダカップを目指した練習、並びにバラクーダカップ当日で集中力を高めれば 5分30分前後の記録は出せると確信を得ました。
この根拠の無い確信が今回のBOの原因だったかも知れません。
基本的にスタティックは嫌いで、練習では3分、4分のターゲットはこなせるが、4分を超える事はまれ で、大体、苦しさを感じるのが2分〜3分の間でこれを調子のバロメーターとしていました。
苦しさを感じた後、大体1分位で止めていたので、限界の見極めが練習では出来ていなかったと思い ます。

*当日のスタティック(3分申告)
オフィシャルトップ 普段感じない心臓の鼓動を感じる。
(バラクーダと一緒で行けると確信)
鼓動を数えて集中していくとあっという間に3分。

3分マスク内の空気を吸い横隔膜を動かす。
3分30秒マスク内の空気を吸い横隔膜を動かす2回目。
4分15秒おきに目を開けてプールの底に視点を集中。
4分30秒マスクの空気を吸い、ブローを繰り返す。
5分マスクの空気を吸い、ブローを繰り返す頻度が増える。
ブローの制御が利かずにマスクから空気が漏れる。
5分15秒合図を確認、その後の合図は記憶なし。

*バラクーダカップと館山大会の違い
スタティックの流れは、基本的に変わらなかったと思う。バラクーダの時は団体戦で絶対に失敗は 許されなかったので、自分の中ではちょっとセイフティーで競技を止めた気持ちがあった。
今回は限界まで行ってやろうという意気込みが強すぎたかも知れない。
体調その他、いろいろあるのだろうが、競技中にそれを感じる事は無かった。

*BOして
初めてBOをしてBOは呆気なく、訪れる事に恐怖を感じた。まったく予兆が無かったと思う。

*対策
アプネアにおいて苦しくなると、マスクの空気を吸い、マスクブローの要領で息をした感覚を 感じている。限界に近ずくとブローの制御が利かずにマスクから空気が漏れる。
ここが一つの区切りとしてその後どれだけ競技を続けるかを考えて行きたい。

サポート見解

事故までの経緯、徴候、事故後の対処、そのた他気づいた点等

オフィシャルトップ〜2分 口頭なしの意識確認を開始。意識確認OK。
2分〜5分 4分から口頭での同時合図を開始した。
苦しそうな様子は見受けられず。この間全ての意識確認はOK。
5分〜5分10秒 プールサイドに手を付き始めたが、苦しそうな様子は見受けられず。
5分の意識確認もOK。
5分15秒 意識確認。選手の合図を確認したのだが、
曖昧なサインだったのか、角度的にサインがジャッジに見えなかったのか、
いずれかの理由で、再度意識確認をジャッジから求められる。体は少しだけ震えていたと思う。
5分24秒 ジャッジの要請で再度意識確認を行う。ジャッジもサポートも選手のサインを確認。
体が震えたまま。息を吹き出すが、毎回浮上前は息を吹き出すので、注意して様子をうかがった。
いつもの息の吹き出し方とは少し異なっていた。
5分30秒前後 水中で一度大きく息を吹き出したが、少し間をおいてからまた息を吹き出し、
うめき声を発しながら、水面から顔を上げ、体を傾け始めた。
サンバしていると感じたが、大会なので手を出さなかった。
「息して〜、息して〜」の呼びかけを開始した。体を傾けながらいきなり立ち上がったが
まだ息をしているように見えなかったので、この間も「息して」と呼びかけた。
立ち上がったあと、マスクを外し「I,mOK」のサインを出した。
サインを出した時は意識を回復したようだった。

*感じたこと
オフィシャルトップの前に選手から「何があっても手を出さないでほしい」とお願いをされていた。
選手の様子がサンバなのかBOなのか区別がつかなかったので、一瞬迷ったが大会なので手を出さなかった。
うめき声を発したあたりは、意識があるように思えなかったのだが、
選手自ら立ち上がったあと、サインを出したので、“自力で意識を回復させた”ように見えた。

*対策
サポートは普段の練習から参加すべきだと思う。今回は1度だけ参加した。普段の選手の様子を知っていると、
選手が限界に達したときにどのような状態になるのかと、異常を発見しやすいため、大会の時に役に立つと思う。
今後はサポートの役割についても、チーム内で充分に検討する必要があると思う。