LMC・BO体験レポート

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レポート

種別BO or LMCLMC
環境日時2016年1月30日20時30分頃
場所プール(25m×?m×1.3m)
水温体感で29℃くらい
気温、室温-
水質-
状況練習内容(種目等)DYN
ダイブタイム1分20秒くらい
事故発生タイミングターゲット
前日の睡眠時間8時間
普段の平均睡眠時間8時間
当日の飲食物と量1時間半前に夕食 腹7分目
事故前の心境リラックス
事故前の体調良好
パッキング回数10回程度
酸素飽和度(事故前)-
酸素飽和度(事故後)-
意識回復に要した時間-
対処方法気道確保
個人性別
競技歴2年(プール競技歴:2年)
事故歴(BO・肺水腫等)なし
普段の食生活朝たまに 昼、夜は食べる
定期トレーニング筋トレ一時間週に2回、ランニング10キロ程度週一回、ストレッチ、閉息たまに
酒・たばこ酒:ビール週に5リットル程度 たばこ:なし
体格・性格等体格:ややむっちり 性格:温厚、ポジティブ
本人見解

事故までの経緯、練習内容の詳細、自分なりに考えた原因と反省点および今後の課題等

睡眠もばっちりで、体調もよく、リラックスしていたのだが、唯一よくなかったことが、ターゲットの1時間半前に 夕食をとってしまったことだった。そのときは母のバースデーパーティがあり、家族全員で食事をする予定が 組み込まれていて、それを避けることができなかった。
腹7分目まで食べてしまったためターゲットを辞退するか、絶対にできる距離でトライすれば良かったのだが、 75メートル目前で先週のターゲットの75メートルを超えたいと欲がでてしまし、ターンしてすぐ上がったのだが、 あがった直後しっかり立てず、頭もふらふらしてサンバしてしまった。
判断が誤り、皆さんに迷惑かけたこと反省しています。
あと、これは関係あるかわからないのですが、ほっぺたにしこりがあり気になっていたので、次の日病院 に行ったところ、副鼻腔炎と診断されました。その膿か何かがほっぺたに移動したみたいです。

サポート見解

事故までの経緯、徴候、事故後の対処、そのた他気づいた点等

1週間前の同プールでのターゲットでは、75mのダイブタイム1分20秒でした。
その時は問題ありませんでしたが、浮上直後の唇の色等から、限界は近いと考えていました。
当日のターゲットは全体に速度が前週より速くなっていました。
ただし、見た目にフォームがあまり改善されておらず、速度を上げた分効率悪化すると考え、 LMCを予測して75mターンと同時に距離を詰めました。75mターンでのタイムは1分17秒でした。
80m程で浮上時にはサポート二人が左並走と背後で至近距離に付き添う形になっており、 浮上直後うまく立てず一瞬口が水に着きましたが、サポートは最速で選手の体を掴みました。
選手は立とうと努力していたので、意識はそれなりにありそうでした。
LMCは良い話ではありませんが、運動強度と時間の限界を正しく把握する機会になったと思います。
残念な点があったとすれば、前週のタイム計測で限界に近い時間を計測していたので、 単に速度を上げて距離を伸ばすのではなく、インターバルトレーニングで泳ぎ方の効率改善を先に 行ってくれれば、運動強度が下がって安全に限界時間や距離が伸びたでしょう。
強いチームというのは、単に仲間のタイムを計測するだけではなく、練習メニューの意味・効果を 認識共通化し、フォーム改善の練習メニューを組織的にアレンジしていくべきだという点で、 練習リーダーとしての未熟さを感じました。今後に反映していきたいと思います。
サポート二人共、それぞれに選手をよく観察しており、軽微な兆候を見逃さず適切に距離を詰める 判断が出来た点では、チーム員同士の信頼関係を壊す類のLMCではなかったと思います。
選手もLMC後はタイムキーパー等のサポートに徹し、閉息せず模範的にふるまいました。
(酸欠によるBO・LMC後、さらに閉息をすると、頭蓋内圧亢進や頭痛を招く恐れがあります)

補足:胸郭の柔軟性限界に迫る深さに潜ると、鼻腔から細気管支に至る気道のどこかにダメージを 負うことがあります。そうした部位が炎症を起こすと、実際に原因となっている部位だけではなく、 副鼻腔炎を高い確率で併発するようです。
大深度に繰り返し潜っているフリーダイバーは、単なる副鼻腔炎と思わず、びまん性汎細気管支炎や 気管支拡張症等も疑ってお医者さんに相談すると良いと思います。
気管支や肺に異常があれば、換気障害からBOしやすくなる可能性はあります。
(あくまで可能性のおはなしです。本人に痰が多い,血痰が出る,息苦しい等の自覚症状が無ければ  あまり心配しなくても良いのでないでしょうか)