世界選手権2009inバハマ・レポート 
MAGY (30〜39才) @京都府 12/14(月) 14:10:22 No.20091214141022
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11/23〜12/1
天気:いつも晴れ
気温:23〜28℃くらい
水温:26℃
ポイント:Dean's Blue Hole
風:時々あり(3mくらい?)
波、流れ:なし

MAGYこと北原です。
バハマのロングアイランドで行われたAIDA Depth World Championship 2009(世界選手権海洋競技・個人戦)にCNF代表として参加してきました。

今回行われた種目はコンスタントウェイト・ウィズフィン(CWT)とコンスタントウェイト・ウィズアウトフィン(CNF)の二種目。
私はウィズアウトフィンの代表として参加しました。

11月22日(日)、カリブ海に浮かぶバハマ国のロングアイランドへ向かって旅立ちました。
アメリカはアトランタ、バハマの首都ナッソーと2回の乗り継ぎを経て約40時間かけてロングアイランドへ到着。
熱帯性の気候であるバハマは、11月でも日本の9月くらいを思わせます。昼間はTシャツ一枚でも汗ばむ陽気でした。

現地時間の23日の午後。この日から早速他の日本代表メンバーと共に練習に入ります。
大会が行われるのは、このロングアイランドの名所であり、世界に知られるブルーホール。
正式にはDean's Blue Holeと呼ばれ、世界で最も深く美しいブルーホールです。
ごく普通に見えるビーチの端に、突然直径30m程の縦穴がぽっかりと空いています。

そのまま真っ直ぐに200mの水深があります。
暖かな海水温、波の影響を受けない、潮の流れがない、岸から10秒で水深200mと言う
フリーダイビングにとってこれ以上ないという条件の場所です。
波打ち際からブルーホールに向かってどんどんと色の濃くなる青のグラデーションはこれまで見たことのない冗談のような美しさです。

私の練習計画は到着日の23日に軽く練習し、24日は長旅と練習の疲労をとるために丸一日休養。
25日と26日に行われる公式練習に参加し、試合前日となる27日は再度休養としました。

11月23日
ターゲット CNF38m
長旅で心身共に疲労している割りに、体の動きは軽快で、気持ちよく潜ることが出来ました。
しかし潜った直後から、全身に張りが出て、24日は全身の痛みで動けないくらいでした。休養日にしておいて良かったです。

25日と26日は公式練習に参加。本番と同様にロープを設定してもらえます。オフィシャルのセーフティダイバーもセキュリティに入ってくれます。今回セキュリティを担当したAIDAカナダのメンバーはかなりハイレベルで、安心感がありました。
競技エリアでの練習時間は予約制で、各選手には10分程度しか持ち時間が与えられません。

11月25日
ターゲット CNF43m(SP失敗)

11月26日
ターゲット CNF43m(未達33m)

25日の夕方には大会のオープニングセレモニーが行われました。17カ国の選手が入場し、
ロングアイランドの人々からたくさんの歓迎の言葉を頂きました。

27日に女子のCNF予選から競技が始まり、28日に私の出場する男子CNF予選が行われました。
本番当日、心身共に調子は悪くありません。コーチを務めてくれたY選手と共に競技エリアに入場します。

いつも通りアップは2本。スタティックとネガティブを行いました。

始めての世界選手権ですが、思ったほど緊張はありません。事前に何度か競技エリアで練習出来たこともありますし、環境の良さやスタッフのレベルの高さのお陰で国内の大会と同じ心境か、それよりも安心した気持でした。
2分前からカウントダウンがはじまり、「オフィシャルトップ」というスタートのかけ声の後に、静かに潜降を開始します。
非常にスムーズに潜り続けます。快調と感じました。むしろ快調すぎてスピードが若干速い気がします。

水深30mを過ぎた時点で尚スピードを加速してしまい、あっと思った瞬間耳に違和感を感じます。
水深39mあたりで、耳で聞いたことのない音と痛みを感じました。即座に潜降を中断します。
鼓膜を損傷した可能性があると判断したからです。
垂直潜水の競技では安全のためロープに沿って泳ぎますが、CNFや
CWTではルール上、このロープを使って推進力を得ることは反則となります。
私はこのルールを把握した上で、安全のためロープを使って浮上を行いました。
つまり、39mで潜行を中断し耳の損傷と判断した時点で失格を覚悟しました。

珍しく「耳抜き」に失敗してしまいました。普段の練習でもこういうことはまず無いので、あまり考えていなかった失敗です。結局また「普段通り」が出来なかったわけです。
非常に残念ですが、結果は失格であり、今大会で成績を残すことは出来ませんでした。

しかし、世界のレベルを肌で感じ、トップダイバーの技術を間近に見られたことは大きな収穫となりました。
この経験を日本のダイバーに還元し、次回の大会では自分を含めてより強い日本になれるように活動していきたいと思います。今後とも応援をよろしくお願い申し上げます。


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