AIDA Individual Depth World Championships 2011 | |
柴田 (30〜39才) @愛知県 | 10/30(日) 21:30:59 No.20111030213059 |
<旅行面> 柴田にとっては初めての海外旅行。しかも単独移動。 その割には、スムーズに行って帰って来れたのは、事前準備によるところが大きいと思う。 治安ボケの日本人としては、アテネでの深夜移動を避け、現地到着/出発時刻にこだわった。 ギリシャ交通ストライキ頻発の情報が入っていたので、イザとなったら多少の距離は荷物を背負って走れる荷姿とした。 アテネ市内観光で最も役に立ったのは、地図とコンパスだった。 飛行機はシンガポール航空で、成田←→シンガポール←→アテネ。燃料サーチャージ込み約27万円。 エミレーツ航空やエキハド航空ならもっと安いが、「初心者向き航空会社にしておきなさい」という旅行会社の人のアドバイスに素直に従った。機内で意外と日本語が通じる等、確かに安心感はあった。 バゲージロスト対応等、実際どうだろうか。 柴田は英会話はあまり得意でないので、コミュニケーションは正直ドキドキした。 ギリシャには短気な人が多く、こちらがヘタクソな英語でノタノタ喋っていると、相手にしてくれない。目をひん剥いて必死の形相で喋ると、いったい何事か、という感じで聞いてくれるが。 加えて、ギリシャの人々も、英語はさほど得意ではない気がした。 カラマタのバスターミナル切符売場で、欲しい切符情報を紙に書いて見せたら、係のおっさんは月日の「Sep.」が読めない様子。数字の9に書き直したら通じた。 何を言っても「OK! OK!」しか言わないタクシー運転手もいた。試しに 「Could you speak any other English except OK?」 と言ってみたが、返事はやはり「OK! OK!」だったから、こちらの英語は一切通じていないと思われる。 道路沿いの地名表記は、アテネ観光地を離れるとギリシャ語表記のみとなる。 移動中の車から見る速度では、まず読めない。ギリシャ文字の国だ。 <競技結果> 9/22 CWT本戦の海況は、水温26℃、気温28℃、表層に軽い風波0.5m、流れ無し、二日前の豪雨の影響で、透明度10m程度。 柴田の結果は、申告-61mに対し-22.8mで、未達,ノータグの0ポイント。 失敗要因は、調子に乗って潜行速度を上げ過ぎ、耳抜きが追いつかなかったこと。 今年は色々あって日頃の練習が不十分だった割に、公式練習を通して体調は最善と言えるレベルに調整できていた。 また、水温が26℃と暖かく、-60m位までは徐々に1〜2℃下がる程度で、潜行時の水温差ショックが無い。潜行速度を段違いに速くでき、快感だった。 公式練習では-58mダイブタイム1分25秒。井田で潜った時と比べ25秒短縮。申告-61mは極めて堅実な値のつもりだった。 そんなわけで、非常にお気楽な気分で「絶好調〜♪」と思いながら全速力で潜行していったところ、胃の格納準備で耳抜きが一瞬途切れた瞬間に、耳管がロックしてしまった次第。 全速力潜行で途切れさせない耳抜き等、日頃の練習不足が原因とも言える。 競技としては、数m戻って耳抜きをやり直す等、少しでも深度を稼いでポイントを高める努力をするべきだったとは思う。 しかし、どのみちトラブルを押してボトムまで行くつもりにはなれない。 柴田としては、順位にこだわる程の実力では無く、自己満足的にホワイトカードを取りたかった。 その為、水中で潜行停止した瞬間に、ホワイトカード以外は全て同じ失敗に思えてしまい、後は安全に浮上するだけと割り切って考えていた。 非常に残念ではあるが、経験を今後の練習に直結させることはできる。 <大会運営面> 大会スタッフのいるMessinian Bayホテルとは違う方の、Akti Taigetosホテルに泊まっていた為と、空き時間は全力で遊んでいた為、実は運営状況についてはあまり観察していない。 やや散発的になるが、気付いた限り列挙しておく。 ・ラニヤードチェックについて クイックリリース構造が、あまり容易にリリースできるものについて、NG判定される傾向にあった。 選手目線でラニヤードトラブルに遭ってみると、容易に外せる事を重視したくなるものだが、大会スタッフの目線では、行方不明になるよりは確実な回収を重視しているようだ。中近東でのヴァリアブル練習中に起きた行方不明事故の影響かもしれない。 柴田の「握ると開く金具」は、ラニヤードチェック係はOK判定したが、スタッフによってNG意見もあった。 ・雷の危険について サンダーストームに対し、極めて神経質に中止判断を下している印象を受けた。海上で避難場所が全くないことを考えると、妥当だと思う。 実際、サンダーストームは、尾鷲で見た最も激しい雷雨の3倍くらい激しかった。 ・水中スクータについて 水中スクータのメーカが大会に協賛しているようで、水中サポートはかなりハイパワーな水中スクータを使っていた。 水中スクータは通常両手でハンドルを掴んで操縦するが、片手運転できるように、カラビナ付きロープ(約50cm)でスクータと腰ベルトを連結していた。 水中サポートは二人一組で1台の水中スクータを用いる。一人が水中スクータを操縦し、もう一人はその足を掴んで潜行していく。 フィンキック無しに潜行できる為、サポートの負荷が大きく低減できている。 また、万一選手を引き上げる際にも、スクータの推進力はフィンキックよりずっと頼りになると思う。 <技術その他> 空気が乾燥しており、鼻,喉の乾燥で耳抜き不調に陥りやすい。 普段から湿度の低い国の選手は苦にならないのかもしれないが、日本の選手にとっては大きな変化だったと思う。 コンディションを整える為に、鼻うがいはとても有効だった。 恥ずかしながら言語の壁という問題があって、せいぜいホテルのプールサイドで「次は誰をプールに突き落とそうか」と相談する程度にとどまり、他国選手と難しい技術論はできなかった。 サングラスを持って行かなかったのは大失敗だった。 世界トップレベル選手の技術を盗むチャンスではあるが、あまりじろじろ見るのも気が引ける。横目で盗み見る範囲では、日本で皆がやっているのと似たり寄ったりで、特別な技術や装備は見えなかった。 鼻の穴にステンレスの針金を突っ込んだり、口に含んだ水を鼻の穴から噴射したりする選手は見当たらず、無限のトレーニング法が世界最先端を左斜め上に向かって独走中であることは確認できたと思う。 |
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